山腹にしがみつくように佇む小さな集落は、印象的な稲村岩に見守られている。住民は約60人しかおらず、学校もずいぶん前に閉鎖されている。しかし、この場所は特別だ。東京都の一部でありながら、まるで村自体が人目につかない場所にできるだけ遠く隠れていたいかのようだ。


歴史がそれを物語っている。14世紀の日本は内乱が横行し、後醍醐天皇は幕府と絶えず対立していた。天皇に仕えた武士たちは関西戦線で敗北し、安息の地を求めて稲村に避難し、守護する岩壁の下に日原を築いた。
最も魅力的なのは、その存在自体があり得ないにもかかわらず、この村が何世紀も後の今も岩と侍の子孫たちに守られて残っていることだ。




