消えていく混浴、私が入った五つの湯

消えていく混浴、私が入った五つの湯

混浴は、日本の入浴文化のなかで最も古い形です。そしていま、静かに消えつつあります。法律のせいでも、新しい羞恥心のせいでもありません。ごく一部の男性が、あの湯船を「待ち伏せの場所」に変えてしまったからです。フランス人の私が実際に入った五つの混浴と、いま残っているもの、そしてなぜ消える前に見ておく価値があるのかを書きます。

最初は秋田の鶴の湯でした。十月なのに雪が舞っていて、乳白色の露天風呂は、水面から十センチ下はもう何も見えません。おじいさんたちが天気の話をしていて、カップルは互いに目も合わせない。誰も何も気にしていませんでした。私は入る前の二十分、この状況をどう振る舞えばいいのか考え続けていたのですが、答えは「考えることなど何もない」でした。

一度入った人はだいたい同じことを言います。だから私には、混浴が消えていくことが「近代化」ではなく、はっきりとした損失に見えるのです。

外から見ると、これは輸入された習慣です

Un bain communal d ancien temps, en papier découpé

日本の外から来た人間として、いちばん意外だったのはここでした。日本の公衆浴場は何世紀も混浴が当たり前で、それを「みっともない」と言い出したのは明治期の欧米の外交官たちです。そして政府が、文明国に見えるように法律で分けました。つまり男女を分ける習慣のほうが、日本の伝統ではなく西洋からの輸入品だということになります。

私の国の人間が口を出して壊したものを、いま私が惜しんでいるわけで、そこは正直に書いておきます。

残っているのはほとんどが山あいの秘湯と古い旅館です。都市にはまずなく、新しいホテルにもありません。混浴の地図は、人が減っていく日本の地図とほぼ重なっています。

なぜ次々と閉じているのか

Un bain de montagne fermé sous les érables, en papier découpé

理由は単純で、そして気持ちのいい話ではありません。いわゆる「ワニ」です。何時間も湯船に動かずに沈んで、女性が入ってくるのを待つ男性たち。女性用の脱衣所の前に陣取る人さえいます。三十年で約三千の温泉をまわった温泉に詳しい弁護士が、これをありふれた光景として語っています。

結果は見えていました。女性が来なくなり、混浴の湯船は「来ない女性」を待つ男性で埋まり、旅館は仕切るか、閉じるかを選びました。混浴を殺したのは羞恥心ではありません。ごく一部の人間が、その場所を全員にとって居心地の悪いものにしたのです。

最近変わった決まり

入る前に必ず全身を洗う、小さいタオルは湯に入れない、写真は絶対に撮らない。ここまでは他の温泉と同じで、ただ写真の禁止はいっそう厳格です。

変わったのは子どもの年齢です。厚生労働省が混浴の制限年齢の目安をおおむね十歳からおおむね七歳に引き下げ、各都道府県が条例を改正しました。東京では2022年1月1日から適用されています。注意したいのは、決めるのは各自治体なので、いまも地域によって年齢がそろっていないことです。

最後にもうひとつ、書かれていないけれど決定的な作法があります。長居をしないこと。入って、あたたまって、出る。それが「ワニ」の正反対の振る舞いで、普通の入浴客だと一目で伝わります。

湯浴み着という答え

Le vêtement de bain et le baquet, en papier découpé

閉じるのではなく、全員に着てもらうという道を選んだ宿もあります。湯浴み着は宿が用意する薄手の木綿で、湯に入ったまま着ていられます。

いちばん興味深い試みは青森の酸ヶ湯でした。千人風呂はこの国でもとりわけ壮観な湯船のひとつです。2021年11月、宿は五日間、男性も含めた全員に湯浴み着を着てもらう実験をしました。女性の入浴者の比率が上がりました。控えめな結果ですが、肝心なことを言っています。女性が避けていたのは裸ではなく、見られることでした。

女性専用の時間帯を設けている宿も多く、たいていは夕方の早い時間です。初めてなら、そこから入るのがいちばん楽だと思います。

私が実際に入った五つ

Carte des cinq bains mixtes cités

番号は上の地図に対応しています。

1. 鶴の湯(秋田県・乳頭温泉郷)。いちばん美しく、最初に薦めたいのはここです。乳白色の湯が羞恥心の問題をひとりでに解決してしまいますし、茅葺きの建物は秋田の殿様が湯治に通っていた時代のものです。冬の景色は圧巻でした。別に一本書いています。

2. 宝川温泉(群馬県・みなかみ)。日本でいちばん大きく、いちばん撮られている混浴でしょう。渓谷沿いに段々に広がる湯船は、紅葉の季節が見事で、雪の日はもはや現実感がありません。ただし、この五つのなかでは最も人が多く、最も静かではありません。

3. 法師温泉 長寿館(群馬県)。谷ひとつ隔てた先です。浴室は明治期の木造で、アーチと高い窓があり、床の玉石のあいだから湯が湧いてきます。礼拝堂のようでした。空間としてはおそらくこの五つで最も美しい。

4. 泡の湯(長野県・白骨温泉)。硫黄を含んだ青みがかった白い湯で、日本アルプスの谷あいにあります。露天は広くて浅く、夕方近くの光がとくにやわらかい場所でした。

5. 式根島(伊豆諸島)。これだけ性格が違います。海際の岩の湯船で、無料、昼も夜も開いていて、水着で入ります。抵抗があるなら、始めるのにいちばん簡単なのは間違いなくここです。島そのものが行く価値があります。

ひとつ注意を。運用はよく変わります。混浴だった湯船が女性専用になったり、時間帯が動いたり、湯浴み着が必須になったり。二時間走る前に、宿の公式サイトで確かめてください。

初めて行くなら

濁った湯を選ぶこと。本当に効くのはこの一点だけです。乳白色でも、硫黄でも、鉄分でも、濁ってさえいれば、心の準備を三段落重ねても解けないものが一秒で解けます。

朝早くか昼下がりに。土曜の夜はやめておきましょう。泊まれるなら泊まったほうがいい。日帰りの客が帰ったあと、宿泊客だけになる時間があって、そこからが静かだからです。

そして入ってみて雰囲気が合わないと感じたら、出ればいいのです。誰も気を悪くしませんし、誰も気づきません。ほとんどの場合、隣に分かれた湯船があります。