私が東京に初めて引っ越したときに、私の会社が銀座に小さなアパートを借りてくれました。それは、銀座が高級感漂う場所であるからというより、むしろ仕事場にとても近いという理由からでした 😉 だから毎日銀座と汐留から歩いていて、その途中にここ、中銀カプセルタワーがあったのです:
廃墟に対する情熱が高まるにつれて、この小さな宝物のような建物には建築的な珍しさがあるだけではなく、とてもクールな廃墟だと気づきました。アクセスは不可能 (観光者は立ち入り禁止)ですが、偶然にもオーナーの1人と友達になりその場所を何度か訪れることができました。
中銀カプセルタワーは1972年、国立新美術館をデザインした有名建築家、黒川紀章氏によりデザインされました。中銀カプセルタワーには未来を感じさせるカプセル型の部屋が140室あり、購入もしくは賃貸が可能でした; 田舎に住んでいて、東京で長時間働くために、顔を洗ったり、平日寝るための簡単な場所が必要だったのでしょう。それが70年代80年代だったのです。
この建物は、メタボリズムと呼ばれる建築ムーブメントの間に建設されました。基本的背景にあるコンセプトは、構造自体が進化し新しくなるというもので、それはモジュール式に可能になるとされていました。ソフトウェア開発者の私たちにとってはとてもクールな印象です。
しかし残念なことに、実際にはモジュール式とは程遠く、想定通りにはなりませんでした。APIに多くの障害があったのです。初期のオーナーらは、建物が最終的に解体された時にカプセルを売却するつもりでいるようです。
ただ、ここ数年の間、多くの建築家や建築ファンらが手入れをするためにカプセルを購入しているのは幸運なことです。そんな人たちの1人、前田さんは時間がある時はほとんど中銀で過ごしていいます。最近、前田さんは素晴らしく朽ち果てた状態の新しく手に入れたばかりのカプセルを私に見せるため、興奮した様子で慌てて私に電話をしてきました。
前田さんが全てをリノベーション
Jordy: すごい!このカプセルの廃れ具合は素晴らしいですね。こんな状態のカプセルを修繕するにはどのくらい時間がかかりましたか?
前田さん: カプセルは外壁と天井の老朽化の為、雨漏りするカプセルが増えています。雨漏りは内部から修復することは難しいので、その対策に一番時間を取られます。
Jordy: 一番難しかったことは何ですか?
前田さん: 外壁と屋根の荒れ方はひどいもので、雨漏りがかなりありました。雨がカプセルに沁みて状態を悪くしたのです。その結果はご覧の通りで、雨漏りの修理に一番時間がかかりました。
Jordy: 初めてのカプセルを購入した理由と時期を教えてください。
前田さん: 一つ目のカプセルは2010年1月に購入しました。偶然街中の広告でカプセルが売られているのを見つけ、2007年に建替えが決まっていたのになぜ?と思いながら不動産会社に電話をかけていました。昔からあこがれていた建物なので、そうしても中に入りたいという衝動に駆られて購入しました。
今日、2016年までに前田さんは13カプセル(合計140カプセル中)を所有している。
Jordy: アスベストは撤去しましたか?建物内にはまだアスベストが残っているのでしょうか?建物内を歩き回るとしたら、例えばこの階段には残っていますか?
前田さん: アスベストは除去ではなく、封じ込めで対応しています。居住者が通る場所にアスベストはありませんので、安心してください。
Jordy: 中銀が建築された目的は何だったのでしょうか?
前田さん: もともとこの建物はサラリーマンのために建てられました。70年代頃のサラリーマンは、朝早くから夜遅くまで働いていました。彼らの家は会社からかなり離れた場所にあったため、平日は東京の中心地に残り、週末だけ家に帰るほうが都合が良かったのです。もちろん中銀の新しい住人たちはそれとはまったく異なりますよ。彼らは建物を気に入っていたり、違うライフスタイルを楽しみたいからここに住んでいるのです。
Jordy: 建物の当初の目的が失敗したのはなぜでしょう。
前田さん: カプセルを独立した状態で取り外すという当初のアイデアは、上手くいきませんでした。そのためカプセルを上手く維持するのが不可能になり、維持しているように見せかけていたのだと思います。実際には状態は悪化していったのですが。修繕と保存を希望する新しいオーナーに変わったほうが良いと私は思っています。
これがビフォー・アフターです。前田さんによってどのように手が加えられたかお分かりになるでしょう。このユニットはレンタルもできます!全てのカプセルでお湯が使えないのが唯一の問題で、近くの銭湯に行くか、受付にある共用の小さなシャワーを利用するしかありません。
1972年に作られたトイレが新品のように生まれ変わった!
Jordy: もし秘密でなければ教えてほしいのですが、中銀カプセルビルの現在の平均価格はいくらでしょうか?
前田さん: いまは1カプセル600万円~1000万円で取引されています。2,3年前と比べると、2、3倍の価格になってきました。売り出し価格は400万前後でした。当時も多くのオーナーさんがいました。
Jordy: 小さくて可愛らしい部屋ですが、実際ここに住んで快適な生活を送ることができると思いますか。
前田さん: はい、できると信じています。
Jordy: 中銀と同じくらい好きな建物はありますか。
前田さん: 私が知る限りないと思います。
ミキと写真撮影
私のお気に入りモデルの一人がミキです。彼女はユニークな服を選択し、素晴らしいポーズをとってくれます。彼女はアイデアに溢れ、疲れを知りません。中銀での写真撮影時、70年代風の写真と、レトロな未来を感じさせる白黒写真の2種類の写真を撮りたいと私は提案しました。彼女がスタイルを決め、後は私たちが思うままに写真を撮りました。その写真がこちらです。
大丈夫?ミキはセクシーすぎませんよね?付け加えると、ミキは実生活ではモデルではありません。彼女はアイドルバンド用に曲を作成し、それをバンドに販売しています。そんな仕事が存在するなんて知りませんでした。
前田さんとミキと一緒にお届けした中銀紹介を楽しんでいただけたでしょうか。中銀が気に入った方は、新宿にある軍艦風のビルについて書いた過去記事チェックも忘れないでくださいね。
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