平壌、北朝鮮…いつも謎に包まれた感じのする地名だった。とても閉鎖的なことで知られている北朝鮮人が作り上げる首都とはどんなものなんだろう?ほとんど不死の神のように様にあがめられている独裁者のもとにあるこの首都で、近代国家の敵に囲まれながら、いったいどんな暮らしをしているのだろう?それを自分の目で確かめたいと長い間夢見ていた。 北朝鮮を列車で巡る、開城と非武装地帯の続編だ。今回は平壌発見の旅だ。
早朝、ガイドが到着する前の少しの自由時間を利用して我々は「野放し」散歩をすることにした。通常は、同行者無しで行動出来ないので、ガイドが熱く語る、いらっとくる説明や質問無しでの自由行動は、すべてがものすごく素敵だった。
静かな朝を楽しんでいたのに、思っていたよりずっと早くガイドが到着した。聞いていなかったが、彼らは本当は同じホテルに滞在していた!一人は本当は平壌の中心地近くに住んでいるにもかかわらず。じゃあ、どうしてここに滞在しているんだ?我々を見張っているのか?はっきり言わせてもらうが、明らか見張っているのだ。
というわけで、一時の無駄も無く、出発することになった。今日は誰も働いていない。どうも休日らしい。美しい晴れた日だが、かなり寒い(-14度)。寒さのせいで、カメラのバッテリーが凍ってしまうので、20分ごとに交換を余儀なくさせられる。
最初の訪問場所は平壌大劇場である。建物自体悪くはないし、結構色鮮やかだが、近くでよく見ると、あまり管理が行き届いておらず、特に屋根は状態が良くない。上映映画リストを翻訳してみた。
- 森よ、語れ!(革命オペラ)
- 党の忠実な娘(革命オペラ)
- 金剛山 の歌(革命オペラ)
- Seonghwangdang(寺の名)(革命オペラ)
- 怒りの血を持つ1万の国 (革命ドラマ)
車はほとんどないので、信号もなし。人々は静かに歩いている。我々が普段巨大都市で慣れているようなストレスがここにはない。朝の日差しは柔らかで心地よく、ぼーっと見ていると交通渋滞のない北京の通りにいるような錯覚さえ覚える。しかし、物事の第一印象はいつでも変わるものである。
歩いている家族連れ、バスに乗っている人々等(信号が無い以外は)すべてがほぼ普通だ。しかし、おかしなことがある。道は中心を走る大通りなのに、何の店やレストランも無い。何も売っていないし、何の印や、広告も全く無い、、、
しかし、実際にサインはいくつか見かけた。すべて似通っていて、明確だ。ビジネスはすべてこんな感じで、厚いカーテンの裏で行われているようだ。こういうところの裏にいつも何かあるのかどうかは定かでないが、私たちが訪れたところは、閉まっているか、空っぽだった。ある店にいる時には、急に停電で真っ暗になってしまい、懐中電灯を使って買い物を終わらせた。もちろん、店の中で人を見かけることも無かった。店が素敵なウィンドウディスプレーをほどこして、季節のプロモーション等で客の食欲をそそる等を言う、普通の世の中で見られる決まり事はここでは存在しない。
次に、政府関連の建物が集まっている金日成広場に到着した。「政府複合棟2」に自分の肖像がかかっているのを見て、カール·マルクスがあんまり喜ぶとは思えない。その上には영광스러운조선로동당만세!と書かれている。朝鮮労働党に長き繁栄あれ!
他の縦書きスローガンはこう書いてある:
- 경애하는김정은동지의령도따라주체혁명위업을끝까지완성하자!尊敬する最愛の同志金正恩氏に長き繁栄あれ!大革命が完了しつつある!
- 위 대 한 김 일 성 동 지 와 김 정 일 동 지 는 영 원 히 우 리 와 함 께 계 신 다 !我々の偉大な同志金日成氏及び金正日氏は我々と永遠にある!
金正日は、亡くなった後何週間も防腐処置をほどこして保存されたが、新しい(デブの)リーダー( 金正恩 )の名前を見たのは、上記のスローガンだけだった。それ以外では、我々のガイドも金正恩のことを完全に無視していたし、どこにも写真が飾られていることも無かったし、せいぜいテレビのニュースでちらっと見かけるくらいだった(これがまた馬鹿げに短い番組で10分で終わってしまう。面白いのでとても楽しめた)。
平壌のメインの建物ではこういうことが起こっている:人民大学習堂 。後から散歩に行く(そしてもちろん屋上も探検する)。
平壌では、ターコイズ色が人気らしい。ほとんどの建物や記念塔はこの色を使っており、特に屋根で顕著だ。これは静かな権力の色なのだ。この絵では特にそのメッセージがよく伝わっている。指導者たちは、いつも歯磨き粉会社にライバル意識を持つかのごとく大きく微笑んでいる。しかし、同じ絵に描かれている人民たちは、いつも革命精神に燃えていて、敵と思える相手にはいつでも飛びかからんばかりだ。幸いなことに、偉大な指導者たちは彼らの味方で、静かに権力、法、秩序を保っている。
金正日は犬を食うのが大好きで、その力を増強するためにアメリカから生きたまま注文していた。
多くの建物が金日成生誕100周年(チュチェ101)のために急いで建てられている。もちろん氏は不滅なので、明らかに、戻って来てこれら空の建物が並んでいるのを楽しむのだろう。
不思議なことに、金正日は、聖杯を与えられていないので、このエキサイティングな景色を楽しむことは出来ないのだ。その代わりに、彼はトイレに行かなくてもよかったのだ。彼の伝記によると、排泄をしないのだという!非常に便利な能力だ。それぞれがスーパーパワーを持っているのは明らかだが、金正恩氏がどんなパワーをもっているのかはまだ明かされていない。
こんどは 主体思想塔に向かう。ここからは平壌の全景が楽しめる。すごいぞ!速く走るぞ!まてよ、いったいこの「思想(チュチェ)」とは何か?
チュチェとは北朝鮮の公式イデオロギーである。この支持者は世界中にいる(フランスでさえ)が、私は懐疑的に思う。これは30年代に金日成が生み出したものだ。3つの基本原則はこうだ。
其の一:政治的独立
発射する前にまずアドバイスを求めよ。そうすれば先に打てる。これが弱い奴の強みだ、、、
しかし悪者やずるい奴の強みでもある!
其の二:経済的自給
国民に食べさせることが出来る規模の巨大なダチョウ農園も持っている。
其の三:国防の自立
北朝鮮は世界最大の軍事国である。周りを見渡せば、特に首都以外の場所ではほとんどの人々は軍人みたいだ。
いまミリタリーファッションが流行っているのかもしれないが。
また党の有名な武器を見つけた:ハンマー(労働者)、筆(文化人)と鎌(農民)だ。進化の速度を完全に失っているこの国のバランスをとって安定させるために、コントロールを無くするということが追加された。自由と権利が無くなった。北朝鮮は壊れた機会のようなものなのに、人々はその指導者を崇拝し、それに気づいて逃れようとする人々は少ない。
記念碑の前で金正日に敬意を払っている人たちに偽りは見られなかった。実際に見なければわからないかも知れないが、人々の目は輝いているのだ!今では金正日が死んだ日 に皆本気で泣いたと確信出来る。そう考えると怖い気がする。いままでのところ、この旅はゲームの世界のような気がする。でも我々のここでの存在は、彼らの我慢の限界にあってすべてがとてもシリアスにとられているように感じる。
その後、我々は皆が行くという遊園地の周りを歩いた。園自体は冬の間は開いていないが門は開いていた。
市内でも、車はほとんど見かけない。ほとんどの人々は歩くか、地下鉄かバスを利用する。自転車に乗っている人もいるが、金持ちに限られているようだ。でも「党の誇り」には自転車は含まれていなかったぞ。バスは、確かに完全無視されていた。
ここは開城青少年公園への入り口だ( 개 선 청 년 공 원 )。別にこれといったことはない。
街の清潔さに気づいただろうか?日本人の清潔さに対する強迫神経症に似ている。
身体障害者も(可能であれば出世時に)この土地から抹消される。注目に値するもう一つのことは、犬も猫もいないことだ。数十年前に食べつくされ絶滅した。北朝鮮の人々は猫や犬がどんなものか知っているのだろうか?
生きているのを見ることが出来る動物はダチョウのみだ(もうすぐ掲載する)。飢えが無くなる日が来れば、ペットとして飼われているのを見れるのだろう。それまでは、この大きな鳥に役立ってもらうしかない。早朝に、ダチョウが散歩する光景は印象的なことだろう。
平壌で、一番良い光景は交通整理女性官だ。彼女たちは平壌の道路の交通整理をしている。彼女たちがいて良かった。世界から情熱的に指示されていて彼女たちに関するフェチフォーラムまで出来ている!大体はとても良い人たちで、体格もよく、頭も良い。それに!彼女たちには化粧品も支給される。仕事に必要なんだろう。そのうえ金正日様がよく考えてくれたコスチュームを身にまとう。夏場は全員スカート姿だ。
ホテルへの帰り道だ。
さあ着いた!羊角島ホテルは意地の悪い巨大な古ロボットみたいだ。ホテルはほとんど空だ。1,000室もあるのに、埋まっているのはほんの10部屋ちょっとだ。この時期は、この国全体で外国人観光客は20人もいないらしい。
興味深い細かい話:ホテルのエレベーターで見ると、5階が抜けているのがわかる。階段を使ってそこに行ってみたかったのだが某ウェブサイトですでにここの秘密が明かされているのを見たことがあったのでやめておいた。これ以上説明することも無いと思う。この程度のことで捕まる危険を冒す価値は無い。
リフレッシュした後、夜の平壌探検に向けてやる気満々になった。出かけよう!
今は大同江にかかる橋の上にいる。ここには市場がある。すべてのものが地面におかれていて、人々も汚い。これが、一日中我々の目から隠されていた悲惨な部分だ。もちろん、そこの写真を撮ろうものなら、カメラは長く持たないぞと警告を受けた。なので、写真は差し控えた。
今度は、凱旋門を通過する 。ガイドに、フランスにも同じものがあると言ったら、「あ、そう」と、いつも通りの気のない返事が返って来た。ガイドたちと深く話をしようとしても、とても難しい。彼らの話に沿わない限りは出来ないのだ(それもかなりいらつく)。彼らはいつも「世界」のことばかり学んでいるくせに、これがパリの凱旋門をなぞらえて建てられたことにはまるで興味が無いようだ。
その後また、今朝来た人民大学習堂に戻って来た。ここが絶対に平壌で一番照明が照らされている場所だ。
高麗ホテルもよく照明に照らされていた。ここは、羊角島ホテルに次いで2番目の規模を誇る。このホテルには、日本人が所有し、日本人がよく訪れるレストランもある。
次は思想塔に戻る。昼より夜のほうが絶対にいけているし、印象的だ。
この記事の最後を、夜の平壌の鳥瞰図で締めくくりたいと思う。しかし霧が出ていた上、街自体があまり明るくないので、あまり鮮明に撮れなかった。
柳京ホテルのズーム写真。まだ照明はついていない!
この、平壌のミニツアーを楽しんでもらえただろうか。次回の記事では、ダチョウ農園に行ったり、屋内の写真も多く公開する予定だ。それでは、、、写真の中で何か特別気づいたことはあっただろうか?
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