東京近郊にある横浜には、日本の廃墟の中でも屈指の場所がある。根岸競馬場だ。ここは日本の都市探検家に大人気のスポットだが、素晴らしい外見にも関わらず、ここを実際に探検する勇気がないままになっていた。
ここは侵入不可能な要塞だ。横須賀米国海軍の動きが多い根岸公園にあり、防犯カメラもきっちりと作動している。その上、、、
内側に湾曲している高い有刺鉄線のフェンスに囲まれており、危ないことこの上ない。一見すると、侵入の困難さは、府中基地程度かと思われたが、周りを何度か歩き回ってみると、この内部への侵入は不可能に近いことに気づいた。
府中基地では、周りに茂る植物や建物等(それと少しのクレージーさも手伝って)が役に立ってくれた。しかし、根岸は違う。ここにはフェンスと有刺鉄線があるだけで、まわりには何も無い。もちろん、公共の公園と動きの多い基地に挟まれていては、ますます侵入しにくい。どこかに秘密の入り口があるはずだ、、、そうだ、この辺りの地理を良く知っている人と一緒に行こう。
午前5時。根岸の有刺鉄線の前に立っている私の日本人の友達を見つけた。私は、遂にここの秘密を知ることが出来るので、ひどく興奮していた。しかし、友人はあっけない質問をして来た。「さあ、来たぞ。先に俺が登ろうか?それともお前が先に行く?」 え?何て言った? フェンスと有刺鉄線を飛び越えるっていうのが秘密なわけ?それだけ?頭の中で賛否を考えていた。それともあきらめるべきか?そんなことを考えている間に、普段はもの静かで真面目なタイプのはずの友達が、突然、目の前でフェンスに飛びついたかと思うと、忍者の様に登って行き、ほとんど有刺鉄線にふれることもなく完璧に飛び越え、向こう側にすっと着地した。素晴らしいテクニックで、良く計算してコントロールされた素晴らしい動きだった。彼のまねをして同じようにすることにした。しかし、私の場合は、色々音をたててしまうわ、手は切るわで散々だったが、まあ最終的には大丈夫だった。
もちろん、ドアはすべてブロックされている。この古い建物の内部に入るにはもう数回忍者ジャンプをする必要があった。入るのは、もっと容易だと考えていたのに、、、とても後で出るときのことは考える勇気がない!
我々は、ついに根岸競馬場内に入った。今回はここを訪れたときのことを中心にして、ここの歴史に関しては次の記事で書きたいと思う。まだ非常に早朝なので、真っ暗闇の中にいる。幸い、手ぶらで来たわけではない。最近習った、ライトペインティングのテクニックを練習出来る様な道具を持って来たのだ。
準備はいいか? 明かりをともした、早朝の根岸競馬場を見てみよう。
一階はかなり湿気がある。大きな錆びた小屋のようなような感じで、ここにあるものは古い電球くらいだ。以前はここにボーリング場があったらしく、その残骸なのかもしれない、、、それともこの建物を外から照らす為のものだったのか?この階段は二階につながる。
この部屋では、悪魔の悪臭を放つ息を嗅いでいるような気がした、、、金属に金属を打ち付ける鍛冶屋の様な騒音と灼熱の部屋、、、しかし、現実にはここはものすごく寒かった。パイプから漏れて落ちる水滴の音以外はなにもない静寂の中で、私はLEDランプをつけて踊りながら、暗闇で写真を撮っていた。
当時は一番活気があったと思われる3階へ上る。 「クォーターマスター」の部屋と言われる部屋や事務所、その他の様々な部屋があり、過去には多くに人々がいたに違いない。ここで使われているフォントは府中で見たものと同じだ。
中尉の幽霊の邪魔はしない方がいい、、、
とにかく、行ってみよう!
司令官室、会議室があり、さらに プロッタ- や連絡員など、軍での様々な役目に関連ずけた小さな黄色い物体で溢れている部屋もあった。これはいったいなんなんだ?その上、このメッセージを見ると、泥棒もいたようだ! 無線機は羨望の的だったんだろう。
非常に面白いものを発見した。軍事緊急事態のコードがあった。 「ALPHA 35.42,139.63 – CHARLIE 3 – DELTA 31 -FOXTROT 0.08 – GOLF31」という感じだ。
その向こうには、他とはまるで関係ないところがあった。写真愛好家グループのクラス。同じ頃のもののはずなんだが?もちろん、ここは空っぽなので、ビックカメラのけちな従業員がNikonD800をちょこっと隠している場所でもない 。
今回の訪問は全く新しい経験だ。古い廃墟を訪れているにもかかわらず、自分のやり方で新しい命を吹き込み、発見をさせてくれる。現実に周りにある要素を取り入れながら、実はすべてを一から作り上げるというのは、夢の中で起こることに似ている。片足は現実にありながら、もう一つの足は想像の世界にあるような、まるで白昼夢だ。これは写真の原理の一つなのだが、ここではそれを顕著に認識することになった。
初めてライトペインティングを試すのはとても楽しかった。作り上げた効果を強調したかったのだが、奈良ドリームランドと軍艦島のHDR写真で馬鹿にされたのでやりすぎないように気をつけたのだ ! (その時の写真は、初めてデジタル一眼レフカメラで撮ったので、確かにやりすぎだし、ぱっとしない。もちろん、またこの2カ所に戻ってきちんと撮り直したいと思っている。)
このエレベーターに乗って行くと、幽霊で溢れかえる舞踏場についた。
あっという間に日が昇り、太陽の光が中に射し込み始めると、建物の外のあちこちから様々な声が聞こえて来た。
ついに、この廃墟を初めて自然な色で見ることが出来る、、、 地元の老人が犬を連れて井戸端会議をし、10代の若者はバスケットボールを楽しみ、反対側ではアメリカ軍人がジョークを言って大声で笑っている。公園では子供たちが遊び、楽しげな音楽も流れてくる。一方、我々はこの混乱の中に立っている。かつては、ほんのそこにあった外の世界が、遥か離れた場所みたいで、奇妙な気分になる。
この場所の全体像をつかむ為と何か発見がないかをチェックする為に、それぞれの階をさっと調べながら一番上まで上って行くことにする。
遂に7階に到着した。タワーは3つあるので、それぞれのタワーに7階部分があリ、合計3つとなる(一番初めの写真を見てもらうとわかる)。さらに、はしごでつながっている8階部分があり、ここから屋根の通気口へと続くと思われる。残念ながら、そこは鎖と大きな南京錠で保護されている。
物語はここで終わりだ。次の記事では根岸競馬場の歴史や、当時の雰囲気を下記体と思うので乞うご期待。さらなる実験(ライトペインティング以外の)もしたので、それも書こうと思う。そして、、、多分屋根に上るかもしれない。
根岸競馬場の記事は今回はこれで終わる。この建物、少し変な感じがしないだろうか?あなたはどう思うだろう?それに、棚の上にあった多数の黄色い物体は何だろう?何かわかるだろうか?
ライトペインティングに関しても意見をうかがいたい。良い効果だとおもうか、、、それとも逆効果? いますぐ、横浜根岸競馬場の続編を 読む!
そして、日本に関するすばらしいコンテンツをもっと見るには、Jordy Meow をインスタグラムでフォローしてください! 🎵
1
5
2
4.5
0.5