波打つ田畠の中、澄み切った空の下、駒つなぎの桜はその気品ある枝を広げている。時間がゆったりと流れるような場所を探しているなら、ここがまさにその場所だ!

老木ながらも威厳を失わない一本
堂々とそびえ立つこの古い彼岸桜は、樹齢400年とも850年ともいわれる。幹回りは約4メートル、高さは20メートル近く、阿智村の天然記念物だ。長野県南部、園原の旧東山道に近い田んぼのほとりに立っている。




田んぼの畑の縁を歩き、水鏡に映る花の色彩の戯れを眺めよう。昇りゆく太陽や薄もやの黄昏との幻想的なダンスを見ることができる。
しかし、駒つなぎの桜の魅力は日没と共に終わるわけではない。夜の帳が下りると、星の煌めきと競うかのように光の衣をまとい、幻想的な夜桜となる。



駒つなぎの桜:一本の桜と一つの伝説
「駒つなぎの桜」という名は実は愛称だ。文字通り訳すと「馬をつなぐ桜」という意味になる。




その名は名高い武将、源義経の伝説に由来する。奥州へ落ちのびる必死の逃亡の最中、彼はまさにこの桜の木の下で馬をつなぎ、波乱の人生の中、その木陰で束の間の憩いを見つけたという(その生涯は切腹で幕を閉じた)。

駒繋ぎの桜は標高が高く、咲くのが遅い。同じように一本桜を訪ねるなら、三春滝桜もある。