Kumejima

久米島:海辺に浮かぶ月のような島

沖縄本島から少し離れた久米島は、透き通ったターコイズブルーの海、宇宙人が彫刻したかのような六角形の岩が並ぶ海岸、そしてひっそりと村を支配する猫たちという相反するものが同居しています。月面のような風景と猫の王国が共存するこの島は、日本の離島の中でもひときわ異彩を放つ存在です。

ハテの浜:7キロの純白ビーチ

ハテの浜は、どんなインスタのフィルターもかなわない絵はがきのような場所です。真っ白な砂浜が海の真ん中に7キロものび、木も建物もなく、ただターコイズブルーの海に囲まれた光のリボンが浮かんでいます。船でしか行けないため、まるで別の惑星に上陸したような非日常感が味わえます。

ここでの海水浴は夢の中の一幕のよう。カクレクマノミや色とりどりのトリガーフィッシュが岸辺のすぐそばを泳ぎ、ときにはウミガメが甲羅をのぞかせ、沖合にはマンタが姿を見せます。ハテの浜はただ美しいだけでなく、現実離れした存在です。世界や時間から切り離された、まるで空に浮かんでいるかのような砂浜なのです。

畳石:石の畳の上を歩く

久米島と橋でつながる小さな奥武島では、景色が一変します。そこでは、何千年もの歳月をかけて海が六角形や五角形の火山岩を幾何学的に削り出し、まるで巨大な畳や海岸に打ち上げられた神話の亀の甲羅のような石畳が広がっています。

驚くべきは、人の手で作ったように見えることです。形があまりに整っているため、古代のモザイクやSF映画のセットの上を歩いているような錯覚にとらわれます。干潮時には景色が月面のようになり、あなたはアームストロング船長のように石のタイルを踏みしめます。ただしここでは波の音がBGMとなり、潮の香りが灰色の砂に代わります。

それだけでは足りないとばかりに、久米島にはほかにも奇妙な岩があります。島の北にあるミーフガーは、二つの断崖を天然のアーチがつなぐ場所で、海の波が長い年月をかけて削り出しました。ほかにも、鳥のくちばしや怪物の顔のような岩が立っていて、まるで自然が自分だけの幻想動物図鑑を彫って遊んだかのようです。

琉球王国の時代から、この島が宝石にたとえられてきた理由がわかります。美しい浜辺で人を引きつけるだけではなく、驚かせ、不思議がらせ、現実と想像の境目を疑わせてくれるのです。

猫たち、久米島の本当の主人?

そして、猫たち。ここでは猫がどこにでもいます。桟橋では漁網のあいだで半分眠り、石垣の上ではブーゲンビリアの陰に寝そべり、カフェのテラスでは「この椅子はもう取ってあるよ」とでも言いたげな顔をしています。

久米島は非公式の猫の島になっていて、猫の数はもはやマスコットの域をはるかに超えています。住民は餌をやり、観光客は写真を撮り、猫たちはというと、まったく気にしていません。ここの主人は彼らなのです。島が「キャットランティス」にならないよう、役場は不妊手術の計画を始めなければなりませんでしたが、それでも猫はいたるところにいます。

そんな相反する風景の共存には、どこか愛おしく滑稽なところがあります。月面のような海岸や絶景を見に来たのに、帰りにはビーチバッグを占領する縞柄の猫の写真を撮ってしまう、そんな感じです。

二つの顔を持つ島

それが久米島です。相反する魅力が同居し、どちらか一方に決めつけられることを拒む島。朝は天然の水族館のような海で泳ぎ、午後は月面のような岩畳を歩き、夕方には旅慣れた茶トラの猫のひなたぼっこのクッションになるのです。

観光地としての知名度は高くありませんが、それゆえに大自然と素朴な暮らしが残っています。島の小さな港町ではのんびりと時間が流れ、潮風と猫たちが旅人をやさしく迎えてくれます。

沖縄のほかの島も、それぞれの速さで。島のカクテル・宮古島、そして愛の物語の座間味島と阿嘉島

Instagram

ここにある写真は、すべて自分で撮ったものです。

記事になるのは、撮った写真のごく一部です。残りはほぼ毎日、その場からInstagramに上げています。

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